FARET TACHIKAWA ART

no.095

トマーゾ・カッシェッラ

Tommaso Cascella

size
1200 x 500 x 500mm
material
bronze
車止め bollard

カッシェッラは細い金属を使って、深々とした空間をつくります。二次元としての線と面が三次元の空間をつくりますが、彼の場合、その面の部分をできる限りなくして立体的な空間をつくるのです。物質によってつくられる形は、形だけでなく、形以外の見えない空間に影響を及ぼそうとします。立体作品においては、形以外の拡がりをもち得るかどうかが重要になるのです。

トマーゾ・カッシェッラ/イタリア

Tommaso Cascella/Italy

1951 -

今世紀初頭タトリンやガボによってもたらされた、線と空間により成立させる構成主義的な抽象彫刻の概念があるが、カッシェッラの仕事にもその影響が多大に見られる。彼の彫刻の特徴には、空間を取り入れた有機的な曲線と面、それらの要素がもたらす空間の美しさと、周囲の空間への広がりが挙げられる。しかし、彼の彫刻は単なる形態の探求ではなく、象徴的意味合いをも含んでいる。例えば作品中の螺旋形は、中心に存在する生命とそれを取り巻く小宇宙を表わす。それは記号的に表現された生態系の神秘と言えるだろう。カッシェッラは51年ローマ生まれ。85年ミラノのガレリア・ディームブロギの展覧会を最初に、88年にはマドリードのアルコなど、南ヨーロッパを中心に活躍する。

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