no.103
リカ・ムータル
Lika Mutal
size
1180 x 340 x 180mm
material
granite
車止め bollard
地中から世界へ
From Earth to the World
ムータルはこの御影石の彫刻で、外観は分裂していても、万物のなかにある統一という基本的原理を示そうとしました。ここでは上部は鎖の輪でつながれていて、その下はふたつの割られた石によってできています。その方法は、輪をつくったあと、石の下部を割るという難しい作業によるものでした。作家はこの舗道に、家庭や美術館のようなとどまるための場所を設定したかったのです。
リカ・ムータル/オランダ
Lika Mutal/The Netherlands
1939 -2016
1939年アムステルダムに生まれ、その後68年にペルーの首都リマに写り、86年よりニューヨークに暮らす。リマへ移り住む以前は女優であったが、言葉のハンディから演劇をあきらめ、演劇用の人形作りを始める。用途的な制約を持つ人形に飽き足らず、やがて自分用の人形を制作し始める。制作することにそれまで経験のない満足感を覚え、その後純粋美術の道へと入る。自然の石の形と自分の手で作る形態とを組み合わせる手法を用いるムータルの作風には、制作するうちに心が自然と溶け合い、自らが自然になってしまったような内側から湧き出る力強さがある。84年以降ニューヨーク、ノーラ・ヘイム・ギャラリーを中心に発表。他に、第4回モンテ・カルロ彫刻ビエンナーレや、美ヶ原野外美術展などに出品。