FARET TACHIKAWA ART

no.049

ウスマン・ソウ

Ousmane Sow

size
(a) H1800㎜・(b)H950㎜
material
iron, mixed media
植栽内オブジェ(見知らぬ人)objects in shrubbery(strangers)

倒れた人

The Fallen

最初にソウに会った時、彼が見ていた本に、アフリカの人達を描いたスケッチが載っていて、それを見る時の彼の眼は実に嬉しそうで、これは○○族だ、これは△△族だといって話をしてくれました。彼はヌバ族の写実的な彫像を、世界の都市と美術館に置いていきます。今回の材料はいわば日本の古い乾漆像のようなものですが、ソウに言わせると屋外でも大丈夫な彼の工夫によるものです。

ウスマン・ソウ/セネガル

Ousmane Sow/Senegal

1935-2016

1935年セネガルに生まれ幼い頃より彫刻を作るが、その後フランスへ渡り20年間理学療法の分野で働き、そのため解剖学に精通している。84年にレニ・リーフェンシュタールの撮影したヌバ族の写真に深い感銘を受け、最初の彫刻となる≪戦うヌバ≫のシリーズを制作。その後88年にはマサイの戦士たち、91年にはズールー族のシリーズを発表。50代になってから彫刻に専念し、水に浸して数年間放置した麻布や藁を鉄の芯に巻き付け、モデルは一切使わず、自己の記憶と手の感触のみを頼りに消え行く人々や、これから消滅するであろう文化などを制作する。彼の使用する自然の中で腐食させた素材も、土から生まれ、やがて土へと返っていく生命を象徴しているようだ。主な出品には92年のドクメンタ9などがある。

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